尋問 (2015)

Visaarannai (2015)

インドの実話に基づいた映画だそうです。酷い目にあった本人チャンドラクマール著の小説"Look Up"が原作。私は知りませんでした。主に南インドのタミル・ナードゥ州に住む、タミル語を話すタミル人て人達がいるのです。

虐げられるタミル人の出稼ぎ労働者。人権なんて、まるで無視っていう権力者の警察。なんの罪も犯してない純朴な田舎者が、権力を保持することに一生懸命な警察に酷い目に遭い、終いには殺されてしまうといった物語。

大物官僚の家に泥棒が入りまして、急いで犯人を捕まえないと立場がないっていう警察上層部。「急いで何とかしろ」って命令は下に伝える度に厳しくなっていきます。そこで警察がやってしまうのです。テルグ語圏に出稼ぎに来ている4人のタミル人を、反応に仕立てあげようっていうのです。やり方が酷い。自供を引き出すため、拷問に次ぐ拷問。この4人のタミル人は、犯罪など無縁な清い人達。とにかく警察署長を筆頭に、悪の限りを尽くしている感じなのです。慣習化しているような雰囲気も、腹立たしさに輪をかけてくれます。

4人のタミル人は裁判所までいったところで、一旦は助かるのです。歯は折られてるは、アザだらけですから、誰でもわかる状況。裁判官エライと言いたいところですが、至極当たり前なのです。

ここで会ったのが、同郷の刑事。タミル語の通訳と、アリバイを証明してくれました。このタミル刑事が抱えてる事件が、大物政治家の会計士に関するもの。圧力で釈放された会計士を拉致するのを、タミル人達は手伝ってしまいます。更に警察署のお掃除。そこで行われるのは、会計士への拷問、そして殺してしまうという。与野党の争いがあります。圧力も強大です。知ってはいけないコトを知ってしまったのですね。

酷い上層部、自分の保身の為に、タミル人達を生かしておくワケにはいかないということになるのです。4人のタミル人のうち、1人先に車を降りて、難を逃れたのが原作者ということです。

数十年前の話のようですが、まだまだ根強い問題だそうです。コレ程は酷くはありませんけど、日本でも慣習的な悪事が残っていることでしょう。恐ろしい映画でした。