善き人 (2008)

Good (2008)

イギリス、ドイツ合作。C・P・テイラーの舞台劇の映画化。

舞台は1933年のドイツから始まります。主人公はベルリン大学の文学の教授ジョン・ハルダー(ヴィゴ・モーテンセン)。妻と2人の子供がいて、義母の介護と家事をジョンがこなしています。奥さんはピアノを弾いてるだけ。

そんなジョンの、以前書いた本が総統に気に入られてしまったそうで、ナチス入党することになってしまうのです。ジョンには第一次世界大戦の戦友で、親友のモーリス(ジェイソン・アイザックス)がいます。残念なことに、モーリスはユダヤ人なのです。

時が経つにつれて、ユダヤ人迫害の流れになっていくドイツです。自国だと言って、国外逃亡しないモーリスです。ジョンの本は映画化し、ジョンもSSの幹部に昇格します。教え子の若い娘アンに好意を寄せられたりしちゃいます。未だギリギリ大丈夫です。

ジョンは妻子を捨て、教え子アンと再婚します。そして事件。ユダヤ人がナチス党員を暗殺してしまうのです。明日にはユダヤ人狩りの情報を知ってしまったジョンですが、モーリスが捕まりません。

そしてユダヤ人の一斉検挙。ジョンも駆り出されます。自宅のアンに、モーリスの為に買ったパリ行きのチケットを託します。

この後は、悲しい結末が待っているのです。ジョンの悲劇のようで、実はユダヤ人ほどは悲しくはないといった物語。

ラストはユダヤ人収容所。縞々服を着たユダヤ人達の、素晴らしい演奏を聴きながら、後悔の念を抱き、ガッカリしましょう。