タイピスト! (2012)

Populaire (2012)

時代は1950年代後半。単純な話で、古い映画を意識したような作りですが、そこはフランス。オシャレで面白く観ることができます。主人公の女優さんは、美人ではありませんが、映画の中盤にはすっかり虜になってます。

田舎でパンフィル雑貨店を営む家庭の娘ローズ・パンフィル(デボラ・フランソワ)。店番をしながら商品のタイプライターで遊んでます。

そんなローズ、都会への憧れか、人気の秘書への憧れか、はたまた父が勝手に決めた婚約から逃げるためなのか。エシャール保険会社の面接を受けることになります。こちら、会社とはいえルイ・エシャール(ロマン・デュリス)1人だけの事務所なのですが、採用面接は大人気。知的に見えると言って、50年代風の目尻の尖った眼鏡が流行ってます。ローズは直ぐに返されそうになりますが、両手人差し指だけのタイプライターを披露。ワンピースの肩がずれたところで合格です。

合格したところで不器用なローズ。失敗の連続です。続けらる条件はタイプライター早撃ち大会での勝利。出場者の中でひとり人差し指だけのローズは勝てません。惜しくも予選敗退です。しかしショックのローズをなぐさめ、来年の大会へ向けてルイの家に住み込みで特訓することになるのです。

厳しく態度のルイですが、ローズに気があるようですね。雨に濡れて透けたブラウスが、それを決定づけます。ルイと共に我々も、ローズに惹きつけられてしまうのです。

ルイには奥手なところがあるようで、元カノのマリはアメリカ兵だった親友ボブにとられちゃったって感じです。ちょっと引きずりながらも、ボブとマリは親しく付き合ってます。そんなルイを知るマリ、ローズの特訓に協力します。

トレーニングはスポ根ちっくに盛り上がり、いよいよ10本指で挑む大会がやってきました。次々と勝ち上がりバス=ノルマンディー地方優勝 。新聞の一面にも載り、一躍有名人に。タイプライターとはいえ競技です。熱い戦いなのです。ところがここら辺で、ローズは両親やルイの間に溝が出来てしまうのです。

熱い戦いは、パリでの全仏大会、NYアーチャーズ劇場での世界大会へと。美人の強豪を倒していくのです。後はルイとローズの恋の行方、ローズが慣れ親しんだタイプライターを送るお父さん。

熱く戦うタイプライター大会。焦れったい恋愛と、父娘の感動を交えて愉しめた映画でした。