ビッグ・リボウスキ (1998)

The Big Lebowski (1998)

ドラマ"ファーゴ"を見て以来、少々コーエン兄弟の映画に興味が湧いてきました。全く予想外な出来事で、話が進んでいきます。出てくるキャラクターも予想外。私の思い描く普通の人はでてきません。しかし思い描くのは映画の中での話、日常には色々な人がいます。誰でも掘り下げれば、変わり者なのです。考えさせられてしまいますが、映画は考えて観てはいけないとの私の考え。面白い人の面白い出来事を愉しみましょう。

舞台は1990年代始めのLA。湾岸戦争の頃です。主人公は、LAを代表する怠け者デュード(ジェフ・ブリッジス)。無職です。本名はジェフリー・リボウスキ。彼のボーリング仲間ウォルター(ジョン・グッドマン)とドニー(スティーヴ・ブシェーミ)。ウォルターのはベトナム戦争経験者のちょっと過激な角刈りの男。ユダヤ人ではないがユダヤ教徒。ドニーはサーファーだそうですが、口を出すたびウォルターに遮られる小心者です。3人のチームが戦うボーリング大会は、物語に並行して行われています。

物語はデュードが自宅で侵入者に襲われたコトから始まります。ガラの悪い2人が妻の借金を取り立てにきたようですが、デュードは独身の貧乏人。同性同名でリッチマンのジェフリー・リボウスキ(デヴィッド・ハドルストン)と間違えられたのです。その後、問題の妻バニー(タラ・リード)が誘拐される大事件が起こります。リッチな方、ビッグ・リボウスキの秘書ブラント(フィリップ・シーモア・ホフマン)がデュードに、事件解決の手伝いを求めます。

その後は、変わり者の方々が絡んできまして、どんどん解決とは遠ざかってしまう出来事が起こるのです。複雑になります。そのため何度も見てしまうという、制作側の作戦でしょうか?見直しても愉しめるのです。

デュードに絡んでくる方々はこちら。先ずはビッグ・リボウスキの娘モード(ジュリアン・ムーア)は前衛芸術家。変わり者っぷりを見せてくれます。デュードを襲ったのはポルノ映画プロデューサーで闇金もやってるジャッキー・トリホーン(ベン・ギャザラ)の部下。身代金を受け取りにきたのはニヒリストの集団。ニヒリストなんて、他の映画では見たコトがありません。こちらのリーダーはウーリ(ピーター・ストーメア)。元ミュージシャンだったり、ポルノ映画に出演していたりしています。誘拐されたバニーはポルノ女優だったのですね。

そんなこんなで、話をまとめられないくらいの複雑なお話。とにかく変わり者達を愉しみましょう。濃いキャラクターの俳優が揃ってますので、混乱はしません。何度も見ましょう。

グッド・ワイフ 6-2 信頼関係

Trust Issues (2014)

ヘロイン輸送の共謀罪に問われてるケイリーの拘留は続いてます。保釈金が認められないのです。検察側は録音された証拠を持ってるようですが、コレが怪しい。会話を繋ぎ合わせたものと思われます。会話の当事者3人を証人にしたいアリシア達。ビショップの部下ですから、簡単にはいきません。しかもこの中には裏切り者がいるのです。

ケイリーは相変わらず反対の姿勢のダイアン移籍問題。拘置所の外の世界では、どんどん話が進んでます。ダイアンは、NYにいたLGのパートナー弁護士ディーン・レヴィン・ウィルキンス(テイ・ディグス)をフロリック&アゴスに誘います。ダイアンの説得で賛同したディーンは、LGの部門トップやデヴィッドの部下ら6人を仲間に引き込みます。強力な戦力でフロリック・アゴス&ロックハートの準備万全なのです。

ケイリーの案件を、アリシアとゼップスの方のケイリーが片付けます。クライアントはチャムハムのグロスの妻ディーナ・ランパード。訴えているのは元従業員。その代理人は、以前アリシアを雇わなかった女性弁護士ロレイン・ジョイなのです。ちょっとした敵討ちです。ロレインが用意した証人はパトリック・エデルステイン。シーズン2の14話に出てきて以来、度々顔を出すIT長者です。ザッカーバーグさんがモデルっぽい人ですね。こちら、ディーナの元彼だったりもします。

後は、アリシアを出馬させようとするイーライです。聖人アリシアの人気を確信していますが、肝心の本人が頑なに拒むのです。大統領顧問ヴァレリー・ジャレットさんを、本人役でゲスト出演させて説得します。しかしキッパリと断るアリシアなのです。

ダイアンは颯爽と7人を引き連れ、思い入れのある事務所を後にします。アリシアは、事務所で保釈されたケイリーとハグして、次回へ続く。

グッド・ワイフ 6-1 ボーダーライン

The Line (2014)

シーズン6初回から波乱です。ダイアンが3800万$と共に来てくれると言うのですが、ケイリーは反対します。せっかく独立したのに〜といった考えを持っているのです。そんなケイリー、カリンダとの待ち合わせに行こうと車に乗ろうとしたところ、襲われてしまうのです。強盗かと思ったら警察です。容疑は教えてもらえません。拘置所の厳しい世界に放り込まれるのです。

しばらくの間は周囲も気づきません。 ケイリーは拘置所で見覚えのあるLGの顧客を見つけます。彼に伝言を頼み、カリンダの知る事になるのです。アリシアはフィンに確認をしたところ、担当しているとのコト。何とケイリー、スーパーX級!執行猶予なしの15年以上の刑だと言われちゃいます。ヘロインに関わったとのこと、保釈金130万$ですって。

イーライはアリシアを州検事に出馬させようと動きます。久しぶりに娘マリッサが来ています。コレが面白い。ピーターのセックススキャンダル候補の若いインターンが、ノーパンだとか言い始めるのです。ズバリ聞くと、ホントにノーパンです。イーライの策略で、ピーターもアリシアを推薦することになります。

ケイリーの件はビショップ絡みのようです。アリシア達は保釈金集めに走ります。ビショップは、拘置所のケイリー、調査に動くカリンダを脅します。怖い人ですが、表の事業を通して保釈金を出してくれるのです。

保釈金130万はドラッグ絡みの金ではないかとフィンが言い出し、証明できないと保釈してもらえなくなって、次回へ続く。判事はユダヤ人のアラン・カープマンでした。

リボルバー (2005)

Revolver (2005)

イギリスとフランスの合作。ガイ・リッチーリュック・ベッソンが組みました。話の内容は、私には説明できません。高度なペテン師のお話です。私も騙されたのでしょうか?欧米のペテン師と云えばチェス。チェスが強いだけではありません。追っ手は自分自身だと思わせる心理術。もう誰が誰だかわかりません。真相なんて全然わかりません。きっともう一度観てもわかりません。でも面白いです。引き込まれます。

主人公はジェイク・グリーン(ジェイソン・ステイサム)。7年の服役を終えて出所して来ました。中々賢そうなコトを言う詐欺師です。
敵役はカジノ王マカ(レイ・リオッタ)。もうお馴染みのイメージですから悪い人に決まってます。ジェイクに次から次へと仕掛けられます。
マカの雇う殺し屋はソーター(マーク・ストロング)。凄腕なので、争う間もなく殺します。スピーディな展開の立役者です。

ジェイクをソーターから助けたのはザック(ヴィンセント・パストーレ)。イタリアン マフィアにしか見えない風貌の達人ペテン師です。
ザックの相棒はアヴィ(アンドレ・ベンジャミン)。アウトキャストの人です。チェスに負け続けますが、実はチェス名人。

ジェイクはアヴィとザックに言われるままに、マカから財産を奪っていきます。現実味の無い仕掛けが成功していきますが、こちらもスピーディな展開なので、非常に楽しく観れます。

そして後半、ペテン師の狙いがわかればわかる程、わからなくなってしまうのです。今、何を書いてるかもわかりません。そんな物語。凡人は騙されてカモになりましょう。

少林サッカー (2001)

Shaolin Soccer (2001)

カンフーにCGを加えまして、物凄い威力でサッカーをしてくれます。コンクリートの壁は破壊され、選手達は吹き飛ばされたりします。漫画を見るように愉しみましょう。ショボい映像ではありません。ボールでコンクリートが砕けます。炎が出ちゃったり、人は吹っ飛ばされます。

大筋は、八百長に乗ってしまったばっかりに、人生転落してしまったサッカーの元スター選手ファンと、下っ端選手時代にファンに八百長を持ちかけ、今やサッカー界の重鎮ハンの代理戦争です。ファンが見つけたカンフーの達人達と、ハンが率いる薬物でパワーアップした悪そうなチームとの試合がクライマックスです。

ファンの見つけた男シンの呼びかけで、少林拳の兄弟弟子達が集まります。シンを筆頭に、うだつの上がらない生活を送っている連中です。皆さん少林拳からは離れた生活をしていて、体は鈍っています。そんな状態からトレーニングを再開し、各種の達人の凄さを見せつけるまでに復活するという、香港王道スタイルといいましょうか。気持ちよく悪人退治をしてくれます。

子供は夢中になります。ヒロインで太極拳の達人ムイの存在は、微妙…と言いましょうか?何とも言えません。実際には見ることができないプレイを堪能しましょう。

グッド・ワイフ 5-22 奇妙な年

A Weird Year (2014)

シーズン5の最終回です。ぐちゃぐちゃになります。コレがドラマというものなのです。ようやく私もわかってきました。

先ずはゴプニック夫妻の養子縁組失敗の件です。チペワ族のが入っているという事で、養子縁組を拒否され、LGに600万$の損害賠償請求をしてきたヤツです。TV電話の会議になりまして、デヴィッドとアリシアが責任をなすりつけ合うのです。こちら、結論は出ません。

面白い事が起きます。LGの事務所のカメラを切り忘れているのです。これには喰いつくフロリック&アゴス一行。始めこそ止めに入るクラークですが、こちらの話題も出てきます。フロリック&アゴスは48時間で消えるとか言われちゃってるのです。誰もが夢中になって見てしまうのです。

ダイアン排除や、アリシア達との合併の話が続きます。誰かのワイフがキーマンのようです。養子の件と思ったら、チャムハム社ニール・グロスの妻のようです。その後カリンダはケイリーの扱いを心得ているとか言われちゃって、立場なく固まってしまうケイリーなのです。合併の話は、アリシアとダイアン以外は反対しています。アリシアとケイリーは争いになってしまいます。

フィンは出馬を断念。ピーターはダイアンに州検事を打診します。これにはダイアン、ちょっと悩むところです。ザックが高校を卒業、今後は大学に通うために家を出るとの事。ベロニカとジャッキーが料理をすることになります。

ダイアンはフロリック&アゴスに入れてくれと、ザックは卒業式の夜に発ってしまうと、そしてイーライがアリシアを州検事候補にと思いつき、シーズン5フィナーレとなります。

セブン・サイコパス (2012)

Seven Psychopaths (2012)

イギリス映画ではありますが、LAを舞台にハリウッド俳優達が出演します。主人公は脚本家のマーティ・ファラナン(コリン・ファレル)。「セブン・サイコパス」なる脚本を書いてます。7人のサイコパスを考えてますが、ネタに困ってます。何故ならサイコパスではないノーマルな人。しかし気づいた時にはサイコパスに囲まれ、巻き込まれる物語となるのです。

友人のビリー(サム・ロックウェル)は売れない役者。ネタを提供してくれたり、新聞にサイコパス募集の広告を出してくれちゃったりします。ビリーの仲間ハンス(クリストファー・ウォーケン)は、無職ですが癌に侵されている奥さんを愛してやまないのです。ビリーとハンスはセコい詐欺をしてまして、犬を誘拐しては謝礼を頂いているのです。そんな2人は極悪ギャングのチャーリー(ウディ・ハレルソン)のシーズー犬を誘拐してしまい、大事になるのです。

簡単な話にしてしまいましたが、コレにマーティの脚本が絡むことで、面白くなるのです。バラしてしまいますが、上記の3人はサイコパスです。コレに新聞広告を見たウサギを抱えたザカライア現れ、元恋人のマギーとのシリアル キラー体験を聞きます。マーティが思いついたのは、アメリカ人を恨む元ベトコン。こちらはサイゴンのアメリカ大使館前で、焼身自殺した僧侶だったりします。ティック・クアン・ドックさんですね。以上6人に、ビリーがもう一度加わりまして、セブン・サイコパスです。

先の読めない複雑な物語、登場人物多数ですが、有名人4人を中心に話が進みますので、非常にわかり易く愉しむことができます。残酷な人殺しもありますが、そこはコメディ映画です。ソフトになっております。

クエーカー教徒なる言葉を初めて耳にしました。キリスト友会なる宗教団体だそうです。ここはひとつ、唯一のまともな人マーティの気持ちになって、一緒にサイコパスに巻き込まれることをお勧めします。